炭水化物子のありふれた世界

インドでのありふれた日々を発信しています。ツイッター→@tansuikabutsuk0

隠された秘宝を見つけた話

私、炭水化物子が絶大な信頼を寄せる同僚、壮絶努力子が、昇進した。

 

壮絶努力子は、若いのにめちゃくちゃ苦労人のエリートである。私は彼女の昇進をひっそりと祝うため、以前彼女に教えてもらった最近流行りの某出会い系アプリをインストールした。(ちなみに壮絶努力子は出会い系なんかやってない)

 

インストールした次の日、私、炭水化物子はスワイプするプロフィールがなくなるまでスワイプしまくった。その結果、なんとインドの隠された秘宝を発見してしまったようであった。

・ヨーロッパ留学経験あり(海外経験はインド人の価値観を変える)
・プロフィールにMBTIについて記載(三行以上のメールが読める人が好きそうな話題)
・グッドルッキング
・このスペックで、候補者として無理のない年齢(インド人は30歳くらいまでに結婚してしまう)
 

何がすごいって、なんと、「1言うと、5分かってくれるタイプ」であった。

 

どういう事かというと、こちらの発言や文脈から、発言に対する意図や背景、恐らく発生するであろう疑問等まで理解して先回りしてくれる、日本人好みの、是非一緒に仕事をしたいタイプである。

例えば、Kポップおじさん(墓場①参照)は「1言うと、10返ってくるタイプ」(=質問とかすると聞いてない質問への回答も含め10倍量のトークショーに直面することになる)であり、Aさん(墓場③参照)は「3言ったら、1分かってくれるタイプ」(=3回言ったらやっと伝わる)である。

 

そして、私の大嫌いな省略スペリングや変形スペリングを使わない人だった。(墓場②参照)

省略スペリングや変形スペリングの例;

Hello→heyloo

What’s up?→watsuppp

People→ppl

Would→wud

 

私はすぐさま電話番号を交換し、電話での通話へ誘導した。

本当に「1言うと、5分かってくれるタイプ」であった。炭水化物子(バカ)の10倍くらい頭よさそう、かつ性格もよさそうだった。

 

秘宝に賭けることにした炭水化物子はいきなり夜デートへ誘導した。※下ネタはありません

 

デートの結果、本当に「1言うと、5分かってくれるタイプ」であった。

 

かつ、かなりそそるプロフィールであった。

・CAT(GMATのインド版)スコア99%でIIM(MBAのインドトップ校のひとつ)に入学したが、やりたいことが諦められず1か月でやめてヨーロッパへ留学した(全てのディティールに尊敬しかない)

・学生のときバイトしたことある(お金持ち学生はバイトとかしない)

ヒンドゥーだからでなく「環境のため」という理由で菜食主義(これ言ってるインド人初めてみた。希少価値)

・好きな音楽のジャンル:プログレ(これ言ってるインド人初めてみた。希少価値)

・飲酒する(重要)

・寿司好き(重要)

 

炭水化物子の大好物、「インド人っぽくないインド人」であった。

因みに、壮絶努力子も「インド人っぽくないインド人」である。

 

本当は炭水化物子的にはある意味とてもインド人っぽいのだが、その話はまた今度。

 

唯一ケチをつけるとすれば、プロフィール写真(グッドルッキング)が6年前のもので問題なく経年劣化していたことくらいだったが、言うまでもなく当方もかなり盛った写真をプロフィール写真にしているため全く問題ない。

すぐにバレる嘘をつくのはお互い様である。

 

酒が入ってかつ深夜にまで及んだのにも関わらず、「あなたの家で飲みませんか?」とか全くならず、無事終了した。(墓場⑤参照)

 

インド(の出会い系)の隠された秘宝を本当に発見してしまった。

 

炭水化物子はすぐさま壮絶努力子に隠された秘宝について報告した。

 

「超いいじゃん!!水を差すようでごめんだけど、一応オンラインストーキングしとこう。他人の事なんて本当にわからないから。FB、インスタ、ツイッターチェックしよ」

 

さすが壮絶努力子である。彼女のこういうところが本当に好きだ。実はデート前日に既にFBとインスタのオンラインストーキングは完了しており、そこから経年劣化の事実と既婚でないらしいことは既に突き止めていた。親族のページ(インド人なのですべての情報を常時絶賛公開中)まであら捜ししまくった。しかも私はバカなので誤って知らぬ間に友達申請までしており(本当にバカ)、無事友達になってしまっていたところだった。ツイッターは抜けていたため壮絶努力子がやってくれた(結局ツイッターはやってないっぽかった)。

 

持つべきものは友人とはよく言ったものである。

 

ところで、インドでは、結婚するときに一族同士で堂々と本当のストーキング行為をするのがスタンダードである。例えば、本当に結婚相手の職場に親族が訪れて本当でそこで働いているか確認したり、尾行して素行を確認したりするらしい。

 

インドは立派な発展途上国であり社会保障があまり充実していない。法や制度が整備されていても機能してない。(ここからは完全に炭水化物子の所見)そうなると、親族一同(だけ)が唯一の社会保障制度となる。そのような社会では、「一族のコマとしていかにコマの役割を全うするか」というテーマが自然と、かなり重要視される。信用できるのは一族だけだからである。なので、例えば結婚して家族に迎えるのであれば「一族が受け入れられる人かどうか」がスタートになる。何と、私の職場の某出木杉センパイは婚活時に同じカーストの人に電話をかけまくって奥さんを探したそうである。「うちのカーストは電話番号をあんまり教えてくれなくて婚活大変でした」という、日本人の私にはよくわからない感想を漏らしていた。

 

何が言いたいのかというと、私と壮絶努力子のオンラインストーキングなんて可愛いものであるという事である。