炭水化物子の墓場コレクション②
Sさんは、プロのクラブDJだった。こちらもTinderで知り合った。写真は爽やかな笑顔で、スポーツもしていてリア充といった感じだった。
インドアマ◯ンの、5スターホテルでのコーポレートパーティーに呼ばれるようなビジネスDJだった。
Sさんはチャットでいつもテンション高めで、ノリが良かった。今何してるとか週末の予定とか他愛のない会話をするだけで、会おうと誘ってこないのも印象が良かった。
ところで、インドは人口の大多数が貧しく、色々な意味でかなり保守的な、立派な発展途上国である。
今でも、結婚相手は一族が同じカースト内から探し出してくるのが普通。いとこや、親戚同士でのみ結婚するという一族もいる。
そしてそういう社会ではデートをする、異性と付き合うのはご法度である。
差別的な事を言うがそんなところであるので、私の経験上概してインド人男性はものすごく飢えていて、でも経験がないため女心をわかっておらず、積極的な性格だった場合は結果ものすごくウザくて危ない奴に成長する。ウザくて危ないから余計モテなくなり、更に飢えて、でも経験がないため…と悪循環することもしばしば。
人間関係は経験から学ぶものだということを実感する。インドですごくいい人とか、美しい人によるものすごく萎える誘い方を拝見した。
経験上、とか知ったふうに言ってみたがこれは女性がインドを1週間くらい旅行してみればすぐにわかる事である。
Sさんの話に戻るが、年齢もほぼ同じであることがわかり、これは期待できると思った。私から、お茶しましょうと誘った。
待ち合わせのカフェに現れたSさんはものすごく下を向いていて、信じられないことにものすごく静かだった。最初見つけられなかった、なんか薄くて。
そして、Sさんはナチュラルに写真映りがいい人だった。私もそうなので本当に人の事を言えないのだが、写真をとるとなぜか3割増しになる。
つまり、本物は写真の3割減になる。
私も同類なので写真を見ればSさんに悪気のないことがわかる。Sさんはナチュラル5割増しタイプだった。
話すと普通の物静かな人だった。感動はしないが、別に悪くなかった。その日はうつむきがちなSさんとお茶をして、帰宅した。
その後もたまにメッセージが来る。そして、そのメッセージはいつもかなりノリが良かった。
なんか、このギャップがダメだった。もしかして何かをキメてるのかな?と思って聞いてみたが、そういう訳ではないようだった。
見てみぬふりをしていたやたらと単語を省略する文体とか多用されるこの絵文字→😂も何かダサく見えてきて、だんだんイラつくようになってしまった。
最終的に既読無視をした。
その後、メッセージはこなくなった。